気管支喘息とは?
アレルゲンの影響や天気、気圧の大きな変化、運動などによって気管支が収縮してゼーゼー、ヒューヒューと喘鳴や呼吸困難などの症状が起こる状態が、気管支喘息です。昨今の医療の進展によって喘息はコントロールが可能な疾患の一つとなりました。
気管支喘息の症状
特に夜中や明け方に、息苦しさ・ゼーゼー、ヒューヒューと音が鳴る喘鳴などの症状が強く出ることがあります。診断の際に重要な症状になるため、喘息の症状を伝えられるようにしておくことが重要です。軽度の場合は喘鳴などの症状ですが、重度になると起坐呼吸といって横になって寝られない程苦しく、場合によっては呼吸困難または意識が朦朧としてくることがあります。
気管支喘息が悪化する原因
- インフルエンザなどによる感染症、風邪症状、気圧の変化、季節の変わり目
- 花粉やハウスダスト、タバコの煙などのアレルゲン
- 運動
- ストレス
- ペット
など
喘息発作が現れた時も、症状が酷くならないようご自身のアレルギーや喘息の状態を知っておく必要があります。アレルゲンを除去するほか、適切な治療を行いながら喘息をコントロールすることが大切です。また、ペットに関しては、動物アレルギーがあるにも関わらずペットを飼育している方も多くいます。家族同様のペットを今すぐ手放すのが難しい方は、治療を継続しながらこれ以上新しいペットを増やさないように心がけてください。
気管支喘息の治療
長期管理治療(慢性期の治療)
慢性期には吸入ステロイド薬を実施します。主に、抗ロイコトリエン受容体拮抗内服薬・抗ヒスタミン内服薬・長時間作用性抗コリン吸入薬・テオフィリン製剤内服薬などの組み合わせによって処方します。吸入ステロイド薬には、声がれの副作用がありますが、吸入した後に丁寧にうがいをすることで防げます。歯磨きをする前に吸入していただくことをお勧めしております。このように、吸入ステロイド薬を行うことで、昨今の喘息死が大幅に減少しました。一般的に副作用が心配されるステロイドですが、喘息治療に用いる薬剤は大きな副作用はないため、妊娠中の方でも安心して使用していただけます。
発作時の治療
発作が起きている際には、気管支拡張薬(β2刺激薬)を吸入します。症状が酷く辛い場合にはネブライザー療法を行います。スプレータイプの薬剤もありますので、外出先でも行うことができます。気管支拡張薬を使用してみて、治療効果があり楽になるのであれば、日常生活の中でもご使用ください。ただし、喘息発作が苦しく横になって寝られない状態の方は、中程度に分類されます。この場合は、ステロイド内服薬や点滴治療を検討します。また、喫煙は吸入ステロイド薬の治療効果が半減します。慢性期喘息の治療を行う場合には、禁煙を徹底して取り組んでいただいております。