風邪症状の見分け方
風邪はウイルス感染症で自然治癒できる病気です。主に、発熱や喉の痛み、鼻水、咳症状などが現れます。ウイルス性の上気道感染のことを指しますが、風邪の症状に似ていて実は重篤な疾患であることもあります。特に、風邪の初期段階では風邪に似た症状から他の疾患と区別するのは難しいとされています。風邪の場合は、上記のような様々な症状が現れますが、例えば細菌感染がある場合には原則1つの菌が1カ所の臓器に感染するため、様々な症状が現れることはありません。
主な症状別・可能性が高い疾患
典型的な風邪症状の場合
風邪の三大症状とも呼ばれる、鼻水・喉の痛み・咳症状が同時に起こる場合には、典型的な風邪と判断されることが多いです。喉の痛みに関しては、嚥下時痛と言って唾を飲み込む際に喉が痛みます。
その他、咳をする際に喉が痛む場合は肺や気管支への感染が考えられます。また、痰が出る場合には気管支からの場合と後鼻漏による場合があります。
鼻の症状が主な場合
風邪に似た症状のうち、主に鼻水の症状が目立つ場合には風邪のほかにアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の可能性が考えられます。アレルギー性鼻炎の場合、サラサラとした鼻水が特徴で、朝方に鼻水やくしゃみが多く出ることがあります。また、季節性などの特徴によって花粉症などアレルギー性鼻炎の可能性が高くなります。 また、副鼻腔炎の場合にはウイルス性と細菌性と2種類があります。
鼻炎の症状がしばらく続くほか、発熱や片側頬に腫れや強い痛みがある場合には細菌性副鼻腔炎の可能性があります。また、いったん症状が改善した数日後に再度膿性鼻汁や微熱がぶり返す場合にも細菌性副鼻腔炎が疑われます。
喉の症状が主な場合
風邪の症状のうち咳症状が強く出る場合には、風邪以外に咽頭炎が考えられます。特に、咳症状の他に嚥下時痛の有無によって、咽頭炎(喉の炎症)が起きているかどうかの判断になります。
主な治療方法は、抗菌薬内服治療を行います。
扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎などの咽頭炎に関連した疾患になっている可能性もあります。
38℃以上の発熱や全身の倦怠感、左右いずれかの喉の強い痛み、唾が飲み込めないなどの症状がありましたらお早めにご相談ください。
咳の症状が主な場合
風邪の症状のうち、咳症状が強く現れている場合には、気管支炎や肺炎が起きている可能性が高くなります。その場合、胸部エックス線写真などで画像診断します。
ただし、肺炎初期や小さい炎症などは分からないことがあります。38℃以上の発熱や悪寒戦慄、寝汗などがある場合には肺炎の可能性が高くなります。また、咳症状や微熱が1~2週間程続く場合には、百日咳やマイコプラズマ肺炎、肺結核などが疑われます。
このため、気になる咳症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
典型的な風邪症状でないと感じたらまずは医療機関へ
風邪に似たような症状には、典型的な風邪ではないことがあります。それらの症状には、様々な疾患が潜んでいることがあります。そのため、典型的な風邪症状とは異なると感じた場合には、まずは医療機関を受診してください。